2020-01-01から1年間の記事一覧

ぼたん

埋火やすきやき鍋に沈む葱

空想遊園地

色褪せしジェットコースター冬の空 冬うらら回転木馬の頼りなし 冬空や誰かの記憶みたいなけしき 襟巻きに隠すどこへも行けぬ恋 冬ざるるポップコーンの塩気かな 口の端のケチャップ日暮れやすし 錆びついたメロディ淡く空に冴ゆ ゆめみたい、は夢だったね冬…

俳句・冬

食パンの甘やかに焼け日短し 流行りの高級食パンを頂いた。焼いているときの香りが絶品。 ∞ 柚子湯して36度の眠りに入る ∞ 寒紅や新大久保の行列の 歳時記をめくっていて、「寒紅」という季語を知る。寒紅売りなんて存在も知らなかったので現代には中々使わ…

メモ

消毒のゆび清らかに亀鳴くや

短夜や一文字灯かぬ赤ネオン

星野源の「夜」という曲を聴いていて、夜のイメージを色々として。音楽は深くしずかな夜だけど、反転して空虚で賑やかな夜へと達した。赤いネオンの看板という表象のイメージは香港。内実のイメージは歌舞伎町。歌舞伎町と「短夜」って季語はなんとも相性が…

初秋

金木犀/透明な曇り空/耳の奥を静に敲くような、リズム/mum/万物がファインでありますように。

晩夏

長かった(はずの)夏休みももう終わるので晩夏。 夏休みの最後にやっとamazon primeに登録してみたので色々と視聴してみる。昔小説を読んで全く好きじゃないなと思った「私の男」、BGM代わりに流していたら映像と音楽のすばらしさに驚き。二階堂ふみの妖し…

白桃の夜の香とどむる靴ずれかな

はくとうのよのかとどむるくつづれかな 痛みは甘さ。恋のはじまりというのも素敵。長く一緒にいるひととの非日常というのも、また。結婚して六年だなんて、なんだかあっという間であった。桃のコンポート 、桃のジュレ、いちばん下はシャーベット。シャーベ…

梅雨晴るる刹那にはためく暖簾かな

見事な夕暮れであった。今年の夏は一瞬しかないかもしれない。

お風呂上がり

身体はこんなに熱さを知覚するのに、体温計は35℃を銀色に示す。夜が、剥がれようとしている。4時。雨がやってくる。音がする。

スティービーワンダー

という人の、俳句に向かなさ(言葉として、9文字もある。笑) 苦心して俳句をひとつ作った。今日のような春のうららかな日に、なんとスティービーの軽やかさは合うのだろう。 「フェイドアウト」という言葉について、消えてゆくというマイナスな意味合いではな…

さみしさのゆくえ

ツイッターもインスタもなかなか窮屈な状況なので、もはやひとりごと。 時間だけはたっぷりなのでまた色々書けるかも 春の雨にユーミンがしっとり濡れる午後。

記録・三月二十九日

去年の桜 今年の桜 それらはおなじようなものであって、全く別のものである。 という決定的なものになった、気がする。2020年の3月末。散った桜の花びらの上に雪が積もった。その日は。外に出る者がほとんど無かったので、道は、しんしんと白に満ちた。空の…

二月十七日

人間ってなんで忘れてしまうのだろう。と辛くなる反面、忘れることができて良かった、そうでなければとても生きてゆけない。世界中のかなしみを背負ってなど。と安心する。慣れない羽毛布団と健康的な時間帯がじりじりと熱く眠れない夜。胃はいっぱいだけど…

2月11日

変わらない、は私だけで、それは相手の苦しみを引き換えとした状態であったのだ。という事実が晒されてしまった。思えばここ何年かの2月、私の調子は良かった。頭で考えれば考えるほど視界は狭くなる。私が私を嫌っても私が私を傷つけても、二人のあいだの苦…

2月8日

余命を宣告されたら、毎日詩ばっかり書くだろう。俳句をつくる余裕は無いだろう。お店を始めて俳句にこころを惹かれるのは、それが半永久につづく日常となった、という気持ちの状態だから。本当の本当の平穏な日常というのは、本当の本当は超絶フィクション…