素描

届かないラブレターの自己陶酔黴びた蜜柑は粉状に散る

 

失恋の甘さ忘るる大人とは加害者となることを知ること

 

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言葉にしにくいものが心の奥底に積み上がっている。言葉にできない感情、というのは綺麗だけど、そうではない、誰にも伝わらなくて良いこと、が正しいところだろう。詩を書こうと思ったけれどちょっと時間が空きすぎてどうも言葉が出ないので、短歌の型を借りてみた。精神の奥底で、しんじつ人とつながるなんて不可能なことなのではと思うことが続く。適切な距離を保つことがきっと大事なのに、どうしてか何かを捉えようとしてしまうのは、人間の愚かしさなのかもしれないとも思う。