2021-05-26 俳句・五月終わり 夕暮れの公園にワインとテイクアウトした焼き鳥を持って、夫とふたりでぼんやり過ごした。青い空が少しずつ、雲のグレーとふうわりとしたピンクに満ちて、そのあとぼんやりと月が出て。まわりが薄墨色に沈む中、月だけが硬質にひかっている。焼き鳥の入ったビニールのさわさわという音、葉っぱがかさそこという音。それだけの中で、ふたりでずっと月を見ていた。ワイン2本分の時間。 春の月ワインボトルの空となり 生ぬるき六月風に鉄の月 春の月ワイングラスの無き恋や 風光りて生命赤く点滅す てのひらをこぼるる都会の麦の秋