初夏

全く更新をできていないものの、ぽつぽつ作った俳句がいくつかあったのでまとめておく。

 

 

百圓の硝子の花器の芍薬

 

亡きひとと酌み交わすけふの初鰹

 

五月雨に嫁ぐひと滲むワイパーや

 

このひとわたしがいなくちゃ。と遠雷

 

台風逸れて七年前のブルゴーニュ

 

 

一句目。あまりにうつくしいので、花器もないまま買ってしまった芍薬。咲き切る、ということ。

二句目。初鰹の季節には、鰹を愛した祖父を思い出す。お店を開いたよ、と告げたら何と言っただろうか。

三句目。「プレバト」の「梅雨とワイパー」のお題から。

四句目。惚気と脅迫は紙一重だと思う。

五句目。主人の誕生日。台風が直撃した日の営業明け。深夜のビストロにて。

 

 

 

 

最近俳句が愉しい。

昔から、鑑賞するのは好きだったのだけど、作ってみて推敲するのもおもしろい。

お酒を呑みながら気まぐれにぱらりと句集を開くのもおもしろい。

 

俳句は、感性というよりももっと着実で

技術や理論の積み重ねが根本的にとても大事であるように思う。

 

ずっと詩を書きながら、

しかし、でも書くべき「必要に迫られた何か」をずっと見つけあぐねていた学生時代の私が、

俳句という形に出会っていたら人生は変わっていただろうか。とふと思う。

深夜のお風呂場で。規則正しいシャワーの音に打たれながら。

文章を書くひとでありたい、と未だに思っていただろうか。とふと。

 

 

 

 

すべてはバランスの問題です。

今はすごくよい。

「書くべき何か」として、お酒のこと食べるもののことという本質を手にできたと思うので。

人生は長いから。どうにでもできる。何にでもなれちゃう。