短夜や一文字灯かぬ赤ネオン

星野源の「夜」という曲を聴いていて、夜のイメージを色々として。音楽は深くしずかな夜だけど、反転して空虚で賑やかな夜へと達した。赤いネオンの看板という表象のイメージは香港。内実のイメージは歌舞伎町。歌舞伎町と「短夜」って季語はなんとも相性が…

初秋

金木犀/透明な曇り空/耳の奥を静に敲くような、リズム/mum/万物がファインでありますように。

晩夏

長かった(はずの)夏休みももう終わるので晩夏。 夏休みの最後にやっとamazon primeに登録してみたので色々と視聴してみる。昔小説を読んで全く好きじゃないなと思った「私の男」、BGM代わりに流していたら映像と音楽のすばらしさに驚き。二階堂ふみの妖し…

白桃の夜の香とどむる靴ずれかな

はくとうのよのかとどむるくつづれかな 痛みは甘さ。恋のはじまりというのも素敵。長く一緒にいるひととの非日常というのも、また。結婚して六年だなんて、なんだかあっという間であった。桃のコンポート 、桃のジュレ、いちばん下はシャーベット。シャーベ…

梅雨晴るる刹那にはためく暖簾かな

見事な夕暮れであった。今年の夏は一瞬しかないかもしれない。

お風呂上がり

身体はこんなに熱さを知覚するのに、体温計は35℃を銀色に示す。夜が、剥がれようとしている。4時。雨がやってくる。音がする。

スティービーワンダー

という人の、俳句に向かなさ(言葉として、9文字もある。笑) 苦心して俳句をひとつ作った。今日のような春のうららかな日に、なんとスティービーの軽やかさは合うのだろう。 「フェイドアウト」という言葉について、消えてゆくというマイナスな意味合いではな…

さみしさのゆくえ

ツイッターもインスタもなかなか窮屈な状況なので、もはやひとりごと。 時間だけはたっぷりなのでまた色々書けるかも 春の雨にユーミンがしっとり濡れる午後。

記録・三月二十九日

去年の桜 今年の桜 それらはおなじようなものであって、全く別のものである。 という決定的なものになった、気がする。2020年の3月末。散った桜の花びらの上に雪が積もった。その日は。外に出る者がほとんど無かったので、道は、しんしんと白に満ちた。空の…

二月十七日

人間ってなんで忘れてしまうのだろう。と辛くなる反面、忘れることができて良かった、そうでなければとても生きてゆけない。世界中のかなしみを背負ってなど。と安心する。慣れない羽毛布団と健康的な時間帯がじりじりと熱く眠れない夜。胃はいっぱいだけど…

2月11日

変わらない、は私だけで、それは相手の苦しみを引き換えとした状態であったのだ。という事実が晒されてしまった。思えばここ何年かの2月、私の調子は良かった。頭で考えれば考えるほど視界は狭くなる。私が私を嫌っても私が私を傷つけても、二人のあいだの苦…

2月8日

余命を宣告されたら、毎日詩ばっかり書くだろう。俳句をつくる余裕は無いだろう。お店を始めて俳句にこころを惹かれるのは、それが半永久につづく日常となった、という気持ちの状態だから。本当の本当の平穏な日常というのは、本当の本当は超絶フィクション…

なんか久しぶりに詩を書きたいなぁ。なんてことを、ツイッターの140字の四角形に誘われてしまう。続いてゆく生活を、続けてゆくことの非凡。現実をうつすPCの画面が、さらりと黒く反転する。冬ざれの街。灰色の空気、透き通るように色の無い空は、いつかの春…

「こちらあみ子」

読了。久しぶりに、生きてゆくことがしんどくなる感覚に陥る。懐かしい、この、夏の夕方に取り残される感じ 外の闇が深まるほどに、身体がシーツから離れられなくなる感じ。普段、ビール片手に見ている街の夕闇はあんなに近しいものなのに。私はそれを、所持…

三月十一日

あの日々はなんだかもうとても不安で ちょうど大学を卒業する年で、まだ社会にも出ていなくて 正しい情報の在り処というもの、信じられるひと、大きなコミュニティに帰属しているようで実はとてもひとりで、自分自身で考え判断する必要があるということ、家…

残暑

さくらももこが亡くなったというニュースを聞いて受けたショックが 少し時間をあけてかなしみに変わってきている。 今思えば彼女の根本にある、すこし鬱屈している部分と、とてもロマンチストな部分がたぶんすごく自分自身に共鳴していて だからこそ、当たり…

俳句・夏

檸檬青しワイングラスの軽やかに 甘く熟るゝ押しつぶされしバナナかな スペアリブ残しし指と昼麦酒 ∞ 一句目。明るい夕方の中頂いた、「マコガレイとレモンのカルパッチョ」のあまりの鮮やかさに。西荻窪のビストロにて。 二句目。やさしくも傷つき易い友人…

俳句・あじさい

日灼けの「喫茶ブルボン」紫陽花かな 古い喫茶店の、店名が書かれたテントの色褪せた青や年月を感じるメニューの紙の質やガラスの曇りや。紫陽花の力強さと清々しさが、ふしぎとマッチするなあ、という感覚。雨の日のアンニュイな感じよりも、晴れて日差しが…

俳句・つつじ

あをぞらに雨ひとすじやつつじ落つ 家を出るときは晴れているように見えた。傘を持たず、自転車に乗って走り出そうとするとふとおでこへの微かな水滴の感覚。見上げれば青空。なのに、マンションのグレーのエントランスは暗い水玉模様が浮かび、そしてその上…

燗酒かるた 2

吉祥寺・ハモニカ横丁の隅にひっそりとたたずむスタンディングタコス屋さん。 そのお供は、ビールは勿論ですが 自然派ワイン、熱燗などなど。。 焼きたての生地のトウモロコシの香りと、タコスというイメージから想像がつかないようなたのしい具材たちに、お…

3月29日

ツイッターにふんわり吐き出しては消えていたものが、お客様やリアルでのつながりの方が増えてきて難しくなってしまったな ツイッター上は、存在の有無が曖昧なわたくしだったのが楽だったのに、本名で固有名詞の私になってしまった。ちゃらんぽらんに毒づき…

燗酒かるた

おでん酒十年前は知らぬひと 今年の冬の新年会、恵比寿のはなたれさんの「海おでん」はとてもおいしかった。

月蝕

月蝕だ、あと1時間で月がなくなる あゝもう三分の一、もう半分、もう三日月 という、お客様同士のざわざわとした空気もたのしいことながら(気もそぞろ、という言葉は日常の会話の中で初めて使用されたと言っても過言ではないだろう) ここにいないひとたちが…

ちかごろ

寒すぎてやる気を失くす。 主人の作った気まぐれタンドリーチキンがおいしかった。タンドールで焼いてないからタンドリーチキンではもはやないけれど。 運動をすると身体が空になる。仕組みだと良いのになぁ。頭がぼんやりしてだるくなってしまった。修行不…

変わらない、ということなど。

24時間みっちりいっしょにい続けることも、平気で3年くらいまったく会わず連絡すら取らずにいることも、どちらも同じ距離。同じ質量。そういう存在のひとってすごいよな、と改めて。久しぶりの方と会い、おもった。 もういい加減大人なのに、久しぶり。と…

七種に生かされてゐる今朝のアラーム

今日は、1日遅れの七草粥から。 むかしから七草粥が好きであった。実家にいた頃は毎年の朝ごはんだったし、一人暮らしを始めてからも暇な大学生の頃にはわざわざ生米から土鍋でお粥を炊いたこともあった。 お正月の残りのお餅の入った雑炊、ということが好き…

1月6日終わりかけ

早速体調不良。 胃もたれ。飲み過ぎ食べ過ぎによるものと思われる。たのしみたい!を詰め込んだ胃がぺしゃんこになっているのだな。 こういう夜は布団がしあわせ。面白い本のストックも大丈夫。冷蔵庫の上に積み重なるタッパー。健康と安全な幸福も、ストッ…

新年

お正月休みは特に何もせずぼんやりしていたので本日より仕事始め。 今年はできるだけ日記をつけて行きたい年です。 お風呂での読書もどれだけできるかな 読書初めに川上弘美の「晴れたり曇ったり」というエッセイ 一度ブックオフに売ってしまった高野文子の…

伸びるほど彼のひとの泣くクレマチス

三鷹駅の中のお花屋さんで、クレマチスを買い求めた。 和名は「鉄線花」。 その名から納得のできるような、くにゃりとしたシルエットでどこまでも伸びる。 葉、枝、時折つぼみ、先に咲く花。 どこへ行くのかわからない、自然ながら不自然なるうつくしい姿。 …

初夏

全く更新をできていないものの、ぽつぽつ作った俳句がいくつかあったのでまとめておく。 ∞ 百圓の硝子の花器の芍薬や 亡きひとと酌み交わすけふの初鰹 五月雨に嫁ぐひと滲むワイパーや このひとわたしがいなくちゃ。と遠雷 台風逸れて七年前のブルゴーニュ …