俳句・あじさい

日灼けの「喫茶ブルボン」紫陽花かな

 

古い喫茶店の、店名が書かれたテントの色褪せた青や年月を感じるメニューの紙の質やガラスの曇りや。紫陽花の力強さと清々しさが、ふしぎとマッチするなあ、という感覚。雨の日のアンニュイな感じよりも、晴れて日差しが照りつけるすこし哀しい雰囲気が良い。

 

あじさいの季節になった。あの、どこまでも伸びるかのような葉の青さがだいすきだ。

俳句・つつじ

あをぞらに雨ひとすじやつつじ落つ

 

家を出るときは晴れているように見えた。傘を持たず、自転車に乗って走り出そうとするとふとおでこへの微かな水滴の感覚。見上げれば青空。なのに、マンションのグレーのエントランスは暗い水玉模様が浮かび、そしてその上へ鮮やかにばさばさと散るつつじの花々。お天気雨というドラマ。

 

躑躅、でつつじと読む。とのこと。なんでこんなかわいくない字をあてるのか。ということで平仮名の表記に。

天気雨を描写するのは難しいな。「晴れ間より雨の糸降るつつじ落つ」やら「あをぞらを雨の糸かなつつじ落つ」などなど試行した結果の句。

しかし、つつじが一輪おちてゆく瞬間を切り取っているような描写になってしまったよな、という反省もある。落ちている地面の描写をするのが本意であろうか。そうすると「躑躅散る」を上五に据える方が、つつじの落ちるドラマティックを(まるで殺人現場のようなそのドラマを)表現するかなあ。また、「あをぞらに雨ひとすじやつつじ落つ」には音がないので、雨が降る音の描写をした方がドラマティックな演出はできるかな。

 

躑躅散る晴れ間より雨打ちにけり

燗酒かるた 2

f:id:aamemiya720:20180416153818j:image吉祥寺・ハモニカ横丁の隅にひっそりとたたずむスタンディングタコス屋さん。

そのお供は、ビールは勿論ですが 自然派ワイン、熱燗などなど。。

焼きたての生地のトウモロコシの香りと、タコスというイメージから想像がつかないようなたのしい具材たちに、お燗が冴えわたるのです。

好きなひとびとと、好き勝手な話をしながらふらふらと。ふわふわと。記憶がないのを、春の夜のせいにしていいですか。

 

酒やタコスや夜半の春騒がしく

3月29日

ツイッターにふんわり吐き出しては消えていたものが、お客様やリアルでのつながりの方が増えてきて難しくなってしまったな

ツイッター上は、存在の有無が曖昧なわたくしだったのが楽だったのに、本名で固有名詞の私になってしまった。ちゃらんぽらんに毒づきたい。

 

facebookでの、みんな仲良くしてるなとか知識とか技術とかそういうきらきらしたぜんぶが、ひとつのかたまりになってなだれ込んでくるようで辛い。しんどい。バランスを取るのが難しい。

 

とにかくマイペースでいることの最重要は、自分自身を信じることだと思うけれど そこがなんとなく危ういよなぁ。と思う日々。突破口はどこなのかなぁ。

座学は得意なんだけど、変化を起こすことが苦手なのだな。

また、頭を叩き割られるような衝撃にあいたい。それによって身体をちりぢりにして ちりぢりをまた繋ぎ合わせる愉しさに日々を消費されたい。

自分の持ち物の危うさについて、どこからどこまでが使えないもので どこからどこまでが死ぬまで持って行くものなのか。そこを整理整頓すべし。だな。

 

ちゃらんぽらんな酒呑みへの道は険しい。

月蝕

月蝕だ、あと1時間で月がなくなる あゝもう三分の一、もう半分、もう三日月

という、お客様同士のざわざわとした空気もたのしいことながら(気もそぞろ、という言葉は日常の会話の中で初めて使用されたと言っても過言ではないだろう)

ここにいないひとたちが、そこかしこで同じように月を見上げ、映らない赤い月を撮り、SNSにアップするあの感じ、それもなんかちょっと良いなと感じた、そんな日であった。

 

月は、蝕まれるのでなく 蝕むのだ。世界を。暗くすることで、ひとに上を向かせるのだ。

 

こんなに天気の良い、最高のロケーションでの月蝕は人生ではもう無いかもよ。

ってなんだかうっとりする言葉。でした。また明日。

ちかごろ

寒すぎてやる気を失くす。

 

主人の作った気まぐれタンドリーチキンがおいしかった。タンドールで焼いてないからタンドリーチキンではもはやないけれど。

 

運動をすると身体が空になる。仕組みだと良いのになぁ。頭がぼんやりしてだるくなってしまった。修行不足。

 

瑣末なこと。

 

風の強い日の井の頭公園をウォーキングした。よく晴れていて、落ち葉はくるくると円に舞って、すべてがきんいろに耳の穴から私の身体を巡るようであった。

風の音、斜めに走る電車の過ぎる音、子供がはしゃぐ声、お弁当を広げるお母さんたち、ランニングする女の子のジャージの赤、ニットのメルヘンな帽子を被った女子ふたりの繋がれた手、使われないスワンボートの静寂、もう戻れないかのような、知らない場所。

あざやかなすべてが音に聞こえた。

ヒッピーのような男の子が、見たことのない楽器を奏でていた。見たことのない楽器は、知っている気がする音を出した。音は、空気にゆらいで しずかに失くなる。

 

f:id:aamemiya720:20180113040629j:image